「呼吸する」木の家と、「呼吸しない」木の家(オイル塗装とウレタン塗装)

皆さんは木材をたっぷり使った木のお家に住んでみたいと思ったことはありませんか?木の香りや、無垢材の柱や床に囲まれるだけでも、とても癒やされそうですよね。その無垢材ですが、塗装の仕方によって、全く性質の異なる素材になってしまうことはご存知でしょうか。今日は無垢材を仕上げる塗装の種類ついて代表的なものを2つご紹介しようと思います。

① ウレタン塗装

無垢材の表面に塗料で薄い膜をつくる、艶ありのものはツヤっとした質感になる

特徴

ウレタン塗装は木の表面を塗料で固くコーティングするため、木材に防汚や強度持たせることができます。木に塗膜ができるため、湿度の影響を受けにくくなり、木材の伸び縮みを防ぐ効果もあります。

その一方で、ウレタン塗装は木材を塗料でコーティングして封をしてしまうため、木が本来持つ調湿効果や肌触り、そして香りも損なわれてしまいます。見た目は無垢の木ですが、「呼吸しない」木になりますので、その機能としては自然本来の無垢材とは異なる性質になります。無垢の見た目のままで、強度を求めたい方には向いている方法と言えます。

②オイル塗装

植物由来のオイルを木に染み込ませる、しっとり、さらっとした木材を触ったときのような質感になる

特徴

オイル塗装は木にオイルを染み込ませて着色するため、表面に塗膜はできず、肌触りもしっとり、さらっとした木本来の質感になります。(サイエンスホームでは木材の塗装に、亜麻仁油を主成分とした自然由来の「ワトコオイル」を使用しています。)

また、湿度が高い夏には木の柱一本で水2L分の水分を吸収し、湿度が低い冬には水分を放出するという調湿作用も期待できます。例えばサイエンスホームの木の家では、木材の調湿効果とエアコンの空調で年間を通して湿度が一定に保てるため、極端な木材の伸び縮みは起こりません。

木材が本来持つ心地よい木の香り、月日が経つにつれて変化する風合い、無垢材の調湿効果を生かした自然に近い室内環境を楽しみたいという方には、木が「呼吸する」オイル塗装がおすすめです。

塗装による強度について

ウレタン塗装も、オイル塗装も、物を落とせばヘコみますし、引っかき傷もできます。ただ、ウレタン塗装は表面を塗料でコーティングしている分、オイル塗装より強度があります。

ウレタン塗装の引っかき傷は木をコーティングしている塗膜がひび割れるため、白っぽく残りやすいです。出来てしまった傷は根本的には直せませんが、ホームセンターなどにある、専用のパテやクレヨンを塗り込むことである程度の傷隠しは可能です。

一方オイル塗装の傷の直し方にはちょっとしたコツがあります。なんとスチームクリーナーをヘコみや傷の部分に当てると、木が膨張してかなり目立たなくなるのです。(ちなみにサイエンスホーム高岡店でお家を建てられたお客様には、皆さまにケルヒャーをプレゼントしております)オイル塗装はお客様のメンテナンスで、木を元の状態に戻せるという利点もあるのです。

まとめ

ウレタン塗装とオイル塗装についてご紹介してきました。同じ無垢材の見た目でも、塗装によって木の性質は全然違ったものになります。それぞれの長所を見て、みなさまのお家に合った塗装を選ばれてみてはいかがでしょうか。

サイエンスホームのお家は「オイル塗装」です。無垢材の調湿効果を生かした自然に近い室内環境を楽しみたいという方にはおすすめですよ。